人事労務管理の個別化や雇用形態の変化等に伴い、労働関係に関する事項についての個々の労働者と事業主との間の紛争(個別労働紛争)が増加しています。これらの紛争は、自主的交渉により、円満に解決するのが理想ですが、一旦こじれてしまうとなかなか関係を修復し、現実問題として解決するのは難しいでしょう。
今までは「裁判なんてお金も時間もかかるし・・・」と二の足を踏む方が多かったのでしょうが、今や相談する機関や申し立ての手段が多様化し、行動を起こすためのハードルは低くなっていると言えます。
個別労働紛争を解決する手段としては、大きく分けて次の3つがあります。
1.ADR(裁判外紛争解決手続)による紛争解決
行政型ADR:都道府県労働局の紛争調整委員会等
民間型ADR:社労士会労働紛争解決センター等
2.裁判による解決(通常の民事訴訟)
3.労働審判(1.2.の中間的な位置づけ)
→裁判官1人と労働関係に関する専門家2人による労働審判委員会が、
原則として3回以内の期日で審理し、適宜調停を試み、調停による
解決に至らない場合には、労働審判を行うという紛争解決手続。
労働審判に異議があれば,労働審判はその効力を失い、訴訟に移行
します。
労働審判の新受件数(全国)は、平成19年1,494件、20年2,052件、21年3,468件、22年3,375件、23年、24年も同程度で推移しているそうです。札幌地方裁判所管轄では平成19年の49件から、69件・89件・109件と年々増加しているそうです。
平成23年度に各都道府県労働局、各労働基準監督署内の総合労働相談コーナーに寄せられた個別労働紛争の相談件数(全国)は、実に256,343件にも上ります。
個別労働紛争は、未然に防ぐことが重要なのは言うまでもありません。
【就業規則】(従業員への周知)、【雇用契約書】等は少なくとも整備しておきたいものです。
「何から手をつけたらいいのか」、「労務関係に詳しい人材がいない」etc
そんなときは、ぜひ人事労務の専門家である‘社会保険労務士’のご活用を!
それぞれの会社の実態に即したアドバイスをいたします。