「人手不足」感の強い昨今、特に中小・零細企業では深刻な問題です。
なかなか、人材を確保できない中、何歳といわず、“働けるうちは働いてほしい”と考える会社も多いことでしょう。
60歳定年で、1年ごとの更新で65歳まで嘱託扱いで雇用を継続している会社でも、さらに66歳、67歳・・・・・・と延長しようとする動きも多いところです。でもそういったケースでは「無期転換請求権」というものが発生することをご存じない経営者が意外と多いこと(セミナーや研修でこの話題を出すと多くの方がメモを取っています)。定年後に再雇用した人以外は、正社員だけという会社に多く見受けられます。
「無期転換請求権」
同一の使用者との間で、有期労働契約が通算で5年を超えて繰り返し更新された場合は、労働者の申込みにより、無期労働契約に転換するというもの。
平成25年4月1日以降の契約(更新を含む)から5年のカウントが始まります。
無期転換請求権をめぐっては、
大学・高校の非常勤の職員が、無期転換申込権が発生する直前(通算契約期間が5年に達する直前に)に雇い止めされたとして、学校側を提訴したり、また民間も含めて提訴には至っていない潜在的な事例が多数あるようです。
無期転換請求権は、定年退職後の嘱託であっても原則として適用されます。
原則としたのは、例外=特例措置があるからです。
定年後に有期労働契約で継続雇用される高齢者については、一定の手続きを経ることで例外とすることができます。会社が任意に、例えば、無期転換しない旨の雇用契約とすることはできません。
無期雇用転換ルールの特例措置を受けるためには、継続雇用高齢者の場合は「第二種計画認定・変更申請書」を提出し、都道府県労働局長の認定を受ける必要があります。
詳細はこちら⇒北海道労働局HP
また、定年後再雇用時の労働条件、職務内容・範囲・責任、処遇をしっかりと検討し、規定し、説明し、理解を得ることが必要です。「同一労働同一賃金」の観点から、同じ仕事内容・範囲・責任で、給与だけは減額というわけにはいかない時代に入っています。